スノードーム
僕の趣味の一つに、スノードームのコレクションがあった。
ある理由から止めちゃったけど、今でも大好きだ。
僕が集めていたのは都市物だったんだけど、
小さなガラスのドームの中の都市に雪が舞う風景はいくら眺めていても飽きることがなかった。
雪が舞う都市風景なんてとてもロマンティックだ。
箱庭の一種的なものかもしれないが、とにかく楽しいものである。
スノードームは19世紀前半にペイパーウエイトとして誕生し、
パリ万博でエッフェル塔を封じ込めた物が記念品として売り出され、
それから旅の記念品として一世を風靡したのだということだ。
僕が最初に買ったのはニューヨーク。
山田詠美さんとダグの結婚式に参加するため、初めてアメリカを訪れた時のことだった。
その次はパリだったかな。
マルセイユではその後アフリカを這いずり回ることになるんで泣く泣くあきらめたっけ。
こういうものはお土産物屋に置いてあることが多いんで、
しばらくお土産物屋を回る変な旅人と化していた期間が続いた。
友達も旅人が多いんで、あちこちの土地で買ってきてくれた。
最終的に30数個集まったっけなぁ。ダイニングキッチンに置いてあったテレビの上に飾っていた。
でもある日、泥酔した僕は何故かテレビごと床に落っことしてしまったのだ。
翌日起きて愕然とした。
何かをしようとして、テレビをいじっていたのは覚えているんだけど、
いったい何をしようとしてたんだろう?
とにかくこの事件で僕のコレクションの半分は木っ端みじんになってしまったのだ。
補修できる物は補修して飾っていたけれど、
引っ越しを期にトランクルームの奥に仕舞い込んでしまった。
もう一つの理由はシカゴのマーシャルフィールドという百貨店が、
クリスマスの時期限定で『不思議の国のアリス』のスノードームを売り出したことがあった。
もの凄く欲しかっったんだけど、『不思議の国のアリス』のスノードームを大事に飾っている中年男なんてなんだか危ないじゃない?
意味性があり過ぎるよなあ……なんて思っている内に、
そもそもコレクションなんて柄じゃないなと思い始めたのももう一つの理由。
僕はこれまでの人生でコレクションというものをやったことがなかったのだ。
コレクションなんて人生のお荷物を増やすだけでしかないと思ってきた。
これまでのように荷物を増やすのはやっぱりやめよう、そう思ったのだ。
一つだけ残してあるのが、写真のシカゴのもの。
深夜、ウイスキーを飲みながら眺めているといろんなことを考えたりして、いいものです。
4 Comments:
スノードームいいよね。
大人子供のおセンチにどっぷり浸れる。
もともと蒐集のたしなみのないタチだったのですが、
気がついたらバターナイフがあつまりつつあります。
なんとなく、いいもんです。
バターナイフも良いね。
でもあんまり物があるのもねえ。
スノードームは、観光地へいくとだいたいどこにでもあってついつい買いたくなります。が、スノードームっていうものだって、今回知りました。ありがとうございました。
あっ、初めまして。
スノードームってなんだか、
欲しくなっちゃいますよね。
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