武蔵野コンフィデンシャル

物書き岩戸の日常と身の回りを綴ります。

Monday, October 29, 2007

中清@吉祥寺

マイペースで仕事をしながら、夏掛けの布団やタオルケットを洗い、
ベッドマットのローテーションをしたりのんびりとすごしているところに、
今日は友達の女性とその妹の二人が、
吉祥寺に買い物に来ていたのです。

で、ね、どうしても中清に連れて行きたかったのです。

「へえ、ホントに町外れだよねー」
と言う彼女。
でもね、良いんだよー。
もうちょっとだから、我慢して歩いてね。

店に入って、まずはホタルイカの沖漬け、
モミジコ(赤い色をしたたらこ)、しめ鯖、
豆腐サラダとビールなどをとりあえずオーダー。
あと卵焼きを注文。

その後、菊姫二合と焼酎のそば湯割りを飲みながら、
つまみます。
さらに焼酎をさらに一合追加。

話つつ飲んでいたら、ご主人の清田さんが、
「お酒飲めない子がいるの?」
と一升瓶を持って顔を出しました。
友達の妹がちょっとだけ弱いのです。
「これを飲んでごらん」
出してくれたのは、日本酒の梅酒!!
ああ……、なんて良い香り。
当然、一合オーダーです。
「押し売りでゴメンね(笑)」
さらに、
「これ飲んでみて」
と出してくれたのが、酒粕から作ったという日本酒のグラッパ。
零下30度に冷やしてあります。
なんて華やかな香り。
「いや、ホントはいろいろなお酒があるんだけどさ。
ウチはただの街のそば屋だし、おしつけるのも嫌なんだよね。
酒屋さんも一生懸命作っているのがわかってるから、
わかってくれる人にだけ勧めるんだけどね(笑)」

3回目にしてすでに常連のハンコを頂けたみたい(笑)。
そういう風に書くのって、生意気だし嫌なんだけどさ(ああ、自己嫌悪)。

〆は10割に近い粗挽きそば、二八の田舎蕎麦『さとそば』、
全粒粉うどん『さとうどん』をそれぞれに。
粗挽き蕎麦はもの凄い香りです。
でもね、それが美味しいのはわかっているんです。
僕が感動するのは580円の二八そばの香りのすばらしさです。
気取りもないけど、それ以上にウソがないんだなあ。

今日の支払い。
全部で7500円だもんね。一人2500円ですよ。信じられない。
そりゃね、料理とかもっと洒落てて美味しいところはあります。
お金を出せばね。ありますよ。
でもね、そばの美味さと、そして何よりも人品だと思うんです。
「うちはただの街のそば屋だから」
となんのてらいもなく言える素敵さ。

友達が、
「友達、連れて来たくなるのわかるわぁー」
と、とろけそうな顔していました。
そしてまったく同感なんだけど、
「辛いときや泣きたくなったとき、ここへ来ておそばを食べたい」
ホントにそうだと思います。

Saturday, October 13, 2007

友よ安らかなれ

また一人、大事な友がこの世を去った。
昔、東京朝鮮高校ボクシング部の部長だった李成樹である。

もう6年ほど会っていなかったが、
在日コリアンの取材の中で出会い、
心を通わせることが出来た人だった。
最後に会ったのは彼の育てた選手、
徳山昌守のソウルでのタイトルマッチの会場か、
その直後の東京かいずれかだった。

付き合いは15年ほどにもなる。
なんどか文章にさせてもらったが、
たいした男だった。

今は東京朝鮮高校から朝鮮大学に移り、
ボクシングの指導を行っていたと聞いていた。
まだ40代も半ばなのだが……。
10月6日に亡くなったという。
また一人、友がいなくなった。

李成樹さん、あなたは立派な男だった。
あなたが育てた選手達は正々堂々と立派に戦ったし、
今もまだ戦い続けている。
どうか安らかに眠って下さい……。